新サーバ立ち上げ記録
概要
minipc.jp 製のベアボーンキットを使って作ったサーバが7月に故障したので,新たなサーバをつくってそちらにいろいろなものを移し替えた。このページはその記録である。
サーバのハードウェアとOS
2003年ころから2008年ころまでサーバとして連続稼働で使用していた PoloV (WinDy 製のキューブ型PC。Mini-ITX フォームファクタの VIA 社製マザーボー
ド = CPU は VIA C3 = がのっていた)の筐体をそのまま使用することにした。
電源ユニットは「ACアダプタ電源」(ダイヤテック PLS 180 K)に置き換えた。ACアダプタ電源にはファンがなかったが,サーバ稼働後数日の実績をみたところ後述のハードディスクの温度上昇が大きいため,山洋電気製の4cm角10mm厚のファン SF4-S5 を後に追加した。
マザーボードは Gigabyte の GA-D510UD に置き換えた。
7cmのケースファンは,ハードディスクとぎりぎりだが干渉しないことを確認したうえで,厚みが15mmから25mmに厚くなった新品(Ainex CFZ-70S)に更新した。
ハードディスクは Samsung 製の HD103SJ (1TB) で,これはサーバ稼働場所そばの PC Depot 店頭にあったものを適当に購入した。Software RAID 1 構成にする予定なので2個購入し,1つはケースにもともとついている「3.5インチシャドウベイ」に,もうひとつはハードディスクケース「氷室」に入れたうえ,あいている「5インチベイ」に,それぞれ取り付けた。ただし,いずれも取り付け方には多少問題があった。3.5インチシャドウベイの場合はSATAケーブル類を取り付けるためにハードディスク固定ねじのところに1mm程度の厚さのスペーサを挿入している。「氷室」はストレートケーブルを使用すればぎりぎり利用可能だったが,コネクタに通常はかからない力がかかってしまっている。「氷室」はアルミニウム合金製で,内蔵したハードディスクの熱を放散するヒートシンクが全体についている構造なので,PCケース前面から3cm程度飛び出す位置に固定した。やや不格好だが,多少なりともケース内の発熱を外に逃がしてくれることを期待した。
電源トラブルに備え,Omron の BX35F UPS の使用も計画した。UPS と PC は USB ケーブルで接続している。
OS
サーバ用と考えると安定したものがよいので,CentOS 5.5 を選択した。Software RAID 1 を使用してインストールし,ディスクのトラブルに備えた。
最初のインストールでは,BIOS のバグと設定の不具合があり,ディスクアクセスが異常に遅かった。BIOS を最新のものにアップデートしたうえで,SATA HDD のモードを IDE から AHCI に変更すると,Software RAID 1 構成でも大きな問題なく動くようになった。ちなみに,変更前にはハードディスクは /dev/hd{a, c} として見えていたが,変更後は /dev/sd{a, b} として見えている。
各種ソフトウェア
Omron UPS のシャットダウンソフト Power Act Pro
Omron ウェブサイトで配布されている RHEL 5 向け最新版をインストールして,特に問題が出ていない。
SSH
CentOS 標準リポジトリから yum でインストールした。
BIND
CentOS 標準リポジトリから yum でインストールした。各種設定ファイルは,旧サーバが持っていたものを救出できたので,それをほぼそのまま使用した。
Postfix + Dovecot + ClamAV + Amavisd-new その他によるメール・IMAP サーバ
「CentOS で自宅サーバー構築」ウェブサイトを参照した。各種設定ファイルは,旧サーバが持っていたものを救出できたので,それをほぼそのまま使用した。ちなみに,旧サーバでは,ヴァーチャルドメインを使用している環境において spam メールの spam フォルダへの自動振分けを CMU Sieve を使った配送制御により実現していたが,これを Dovecot Sieve を使って実現するため,ATrpms リポジトリから Dovecot-1.2 の rpm を取得して用いている。ClamAV, Amavisd-new などは RPM forge リポジトリのものを使っている。
Mailman
「CentOS で自宅サーバー構築」を参考にした。各種設定ファイルは,旧サーバが持っていたものを救出できたので,それをほぼそのまま使用した。
PostgreSQL データベースサーバ
CentOS 標準のリポジトリを使用して yum でインストールした。やや古いものが入っている。データベースのなかみは,当然ながら旧サーバのダンプファイルをリストアして用いている。
その後の経過
冷房等のない部屋で連続稼働している。
サーバ設置場所は遠隔地である。CPU の温度等は計測できていないが,ハードディスクの温度は S.M.A.R.T. データを読むことによりモニタ可能となっている。
これによれば,酷暑となった2010年7月下旬においても,「氷室」に入れたディスクは最高でも45℃程度にしか達しなかった。3.5インチベイにあるディスクはこれより5℃ほど温度が高くなっているが,50℃を超えることはなかった。いずれのディスクも,朝方にはこれより7℃ほど温度が下がっている。これらのデータから,いささか苦しいものの夏の稼働状況として大きな問題はないと考えられる。