旧小滝橋
わたらせ渓谷鉄道の「第2渡良瀬川橋梁」付近から,「庚申山川」ぞいに足尾の西方の山中に分け入っていくと,最盛期には1万人以上が暮らした小滝地区に至ります。現地はいまや建物も皆無という状態で,「ここに小滝の里ありき」という石碑がある「小滝の里公園」が残るのみです。そこからさらに少し上流方面にのぼっていくと,江戸時代からあった旧坑道を明治時代に再開発したという旧小滝坑跡があり,その前にこの旧小滝橋が残っています。こだき,と読むようです。銘板はみつけることができませんでしたが,そばにある日光市による立て看板によれば,長さ26.6m(支間長か?),幅3.05m(道路時代の幅員か?)で,形式は写真から明らかなように下路ダブルワーレントラス。親柱には「大正十五年六月」とあるので足尾地区の橋のなかでもそう古い橋ではないと思いますが,長いこと使用されておらず,実態以上に「すごみ」を感じさせます。
なお,小滝坑は1954年に廃止されたとありますが,その時点でこの橋が使用されなくなったのかは定かではありません。現在の道路はおそらく2000年以降に開通した2車線の橋を渡っており,この橋から数10mほど上流に旧橋の橋台らしきものが残っています。しかし,現地の状況,ならびにいくつかの文献から,少なくとも30年程度かそれ以上使われていないことは確かだと思われます。
- 写真撮影: 2009. 9. 21.
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