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2001. 9. 21記
written 21 September 2001

バーミンガム便り「引越し」
From Birmingham --- Removers

After the arrival of the official letter of invitation from the University, I had to select the remover that move all the things from Japan to UK. I made contact to two Japanese companies, Nippon Express and Yamato Transport, both of them having their offices in London. Among them I have selected Yamato, mainly because of their support for the preparation of all the documents required for customs inspections.

I did not put electric appliances in the removed luggages. Portable electronic devices such as laptop PCs, digital cameras and electric shavers can plug in to mains with voltages ranging from 100V up to 240V; a large PC should be unnecessary if I bring my laptop; appliances with large power seemed better be bought in the UK. Frequently adviced is to bring the rice cooker from Japan (because the Japanese are the rice-eating people), for which I have got an information from my uncle who recently came back to Japan from his stay with the University of Birmingham that the shop "Argos" has one with the price of around GBP 25.

What I regret is the whole lot of T-shirts for the hottest summer --- Birmingham is too cold for walking round wearing them.

選考が終わり、 「決定」の通知が、 まずは電子メールでやってきた。 大学の人事関係の事務を扱う部署 Personnel Services (日本の大学でいえば、 人事掛といったところ?) の Director (人事掛長?) のサイン入りの公式な手紙は、 それからだいぶ経って郵便で到着。

公式の手紙に記された日付は5月17日である。 それからだいぶ経っているから、 僕がこれを受け取ったのは確か6月まであとわずかという時期だ! 契約開始は7月1日 (ただし入国や労働許可などの申請が通る限りにおいて) とある。 書類関係を相当急がないと、 話が遅れてしまいそうだ。

まず、 これから出発までに行うべきことをざっと頭のなかで整理してみた。

  • 大学当局が僕の労働許可証を英国労働省に申請するため必要な、 日本側の書類の準備と大学当局への郵送
    (注:労働許可証は被雇用者ではなく、雇用者が申請する)
  • 渡航のための航空券の手配
  • 引越の手配
  • 日本のお役所関係、そのほかの手続き
このうち、 日本側の書類の準備に関しては、 電子メールでの決定通知の際指示があったので、 先行して準備を進めつつあった。 しかし、 渡航のための航空券手配に関しては、 労働許可証の日本到着を待たなければ最終的な渡航日程が決められないため、 とりあえず仮の予約をなじみの代理店さんにお願いする。 引越しも同じことなので、 業者さんは頼めばすぐに来てくれるだろうとの読みから、 荷物の整理だけを先行してやっておくことにした。 (結果的にはこれが失敗の元だったかも知れない…… なぜなら、 送り先等が不明でも船便荷物等ならしばらく 「預かって」 くれるらしいからだ。 先行して引越業者に問い合わせをしておくべきであった)。 それも自分で全部やったわけではなく、 同居していた両親に相当任せてしまった気がするところが情けない。

引越し業者を選ぶ

日本側書類の手配にはそれなりに手間取った (特に、 前の勤務先の会社に証明を出してもらうのが面倒だった) が、 関係の方々のご協力で何とかクリア。 6月初めには書類が送付でき、 6月20日より前に労働許可証が到着した。 おお、 速い。

ということで、 こちらの各種手続きなど諸般の事情を考慮し、 離日は6月29日ということにした。 7月1日が契約開始日だから、 けっこうぎりぎりである。

さて、 大仕事の荷物の輸送を急いで考えなければならない。 依頼する業者は、 ロンドンに事務所のある日本の会社ということで日本通運ヤマト運輸を考えることにした。 どちらも、 ウェブである程度の情報をたぐることができる。 しかし、 きちんとしたお値段表みたいなのはどちらの業者も出てこない。 日通は事実上海外引越担当の営業所に電話しなさいというだけだし、 ヤマト運輸も見積もり希望をフォームで入力、 送信しておくと、 担当者があとで電話をくれるという形らしい。

やっぱり大手どころで日通かな、 と思ったのだが、 日通の場合梱包や書類作成はこちらでやらなければならないのは問題だと思った。 時間がない、 その上書類作成等はご指導いただけないとなると、 めんどくさがり屋の僕としては、 正直絶望感にとらわれてしまった。

あとで見積もりに来たヤマト運輸は、 お値段的には相当高かったが、 この辺は全部やってくれる、 というので、 一も二もなくこちらにお願いすることにしてしまった。

ちなみに、 ヤマト運輸では 「自分で梱包するからその分安くして」 というのは 「なし」 なのだそうだ。 背景にある考え方は、 海外だと距離が長いため、 荷物の破損等がないことを保証できないから、 とか。 確かに、 送ったものは基本的に全く傷み等なしにとどいたのはさすがであるが、 その分お値段もそれなりということにはなる (結果から考えると悪くないとも思うが)。 このあたり、 どちらがいいものか、 見方が分かれるところかも知れない。

荷物の準備

荷物はおおむね:
  1. 船便荷物(到着までに2ヶ月程度、安い)
  2. 航空便荷物(到着までに1週間程度、高い)
  3. 手荷物(自分と一緒に動く)
に分ける必要がある。

最終的にお願いすることになったヤマト運輸の料金体系では、 船便荷物の場合重さは関係なし、 最小単位が1立方メートルでいくら、 ということになっている。 渡航が6月30日ころでちょうど夏に入るから、 冬物の衣類やすぐには使わない書類等は、 船便で送ればよさそうである。 しかし、 書類でもすぐ使いそうなものは航空便に入れたい。

その 「書類」 として、 なんと購入したての英和大辞典に電気学会の 「電気工学ハンドブック」 を入れることになった。 どちらも分厚く重たい本で、 この2冊だけで6kg程度もある。

ところが、 航空便は一箱3万円程度の定額料金で、 重量は一箱あたり25kgまでとなっている。 そこで、 体重計を持ち出して、 重さを量りつつ荷物の調整をすることになった。

それでも、 結果的にはスーツケースがものすごい重さ (明らかにエコノミークラスの制限をオーバーしている) になってしまった (成田でチェックインのお姉さんが大目に見てくれたから、 追加料金は払わずに済んだが)。 もし、 これが季節の変わり目の引越だったなら、 冬物もある程度持ち込むとかいうことで大変だったかも知れない。

船便の中に、 電気製品はほとんど入れなかった。 変圧器等が必要、 とよくいわれるが、 持ち運びが容易な電子機器 (ノートパソコン・デジタルカメラ・電気シェーバ等) は、 電源電圧100〜240V対応としているケースが多いから、 変圧器はそもそも不要。 ノートパソコンがあればPCはとりあえずいらなさそうだし、 大きなパワーを必要とするものは現地調達がよいと思った。 よく日本から持ちこんだ方がよいといわれるのは炊飯器だが、 Argosというお店で£25弱で入手可能との情報を、 事前に叔父 (少し前までバーミンガム大学に滞在していた) から得ていたため、 これも不要。 NTSCが再生可能なテレビも、 結果的には簡単に手に入れることができた (14インチステレオで£131.38)。 結局、 いくつかの電子機器で100V対応の電源しかないものについて、 それ用の小さなトランスを手荷物として持ち込むだけで済ませることにした。

1立方メートルの荷物が運べる、 ということだったので、 大量の資料 (鉄道ピクトリアル、 鉄道車両と技術、 そのほかもろもろ) を運んでもらうことにした。 船便荷物が届いたのは8月末だが、 届いたら一瞬で本棚がいっぱいになってしまった。

失敗したな、 と思っているのは、 日本の暑さに影響されてたくさん持ち込んだ夏用の衣服 (大量の薄手のTシャツなど) である。 何しろ、 こちらはものすごく寒い。 ロンドンもそうだが、 バーミンガムはロンドンよりさらに2〜3℃程度は気温が低い感じだ。 真夏でも、 朝は気温が15℃を下回ることが珍しくない。 半袖でいたら寒いくらいである。 でも、 現地の人々はみんなわりと薄着なのが不思議だ。 僕は寒がりなんだろうか? 基礎代謝が足りないのかな? ともあれ、 今年日本の夏は気が狂うような暑さだったらしいが、 当地で暮らしているとうらやましく思えたほどである。


高木 亮 / TAKAGI, Ryo webmaster@takagi-ryo.ac
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