バーミンガム大学、ミュアヘッド・タワー

撮影日: 2002. 10. 3. (大きな画像)

バーミンガム大学構内にそびえる、 ミュアヘッド・タワー (Muirhead Tower)。 1967年（あ、僕と同い年だ）に完成したこの建物は、 大手どころアラップ・アソシエイツ (Arup Associates) の フィリップ・ダウソン (Philip Dowson) の設計によるもの。 完成当時は「シヴィック・トラスト」(Civic Trust) の推薦も受けた、 と地域の歴史を記した本にはありますが、 大学関係者にはともかく評判が悪く、 「大学でもっとも ugly な建物」との評価をほしいままにしています。 いろいろなうわさ話があって、 「建物の前面にある scaffolding（工事用足場）は建物が完成したときからずっとそのまま」 （ここ5年ほどそのままであるのは事実）とか、 「この建物は土木工学科の学生が地域の風向きまで含めて考慮して設計したが、 いざ建てるときになって向きを間違えた」とか、 「コンクリートのプレストレスをかけ間違えているため、 解体しようとすると建物が砕け散るので解体できない」とか……。 実際に、 風が吹くと建物が揺れるそうですし、 エレベータの明らかな容量不足 （これはドアなしで動いているのに飛び乗るタイプのエレベータが安全性の観点から許可されなかったことによる、 ともいわれていますが）、 非常階段の容量不足などのうえ、 ガラスの固定が悪く強風時にはガラスが飛ぶといった懸念まであったそうで （工事用足場はこの修繕のため設置されている）、 アラップも自分たちがかかわったとあまりいいたくない建物なのではないでしょうか。 建物名は、 大学最初の哲学の教授の名前から。