道路民営化推進委員会最終報告……これはひどい

• 道路民営化推進委・最終報告全文, 産経Web 6/12/02.
  (http://www.sankei.co.jp/news/021206/1206sei113.htm)

もうだいぶ古い話題になったが、 この報告はひどい内容だといわざるを得ない。

このままの体制を維持するのが難しいのはわかるとして、 なぜ民営化なのかなど基本的な疑問が全文を読んでも解けない。 そのうえ、 細部もめちゃくちゃだ。 保有・債務返済機構なるものが引き継がない 「営業損益で赤字が生じていることが明らかな路線」 のなかに、 千葉県の内房海岸ぞいを走る 「富津館山道路」 が含まれているのを読んだときには、 思わずその場に卒倒しそうな衝撃を受けた。 現在部分開業中で、 しかもあとわずかの区間を建設すれば、 首都圏の高速道路ネットワークの一部に組み入れられる路線である。 どういうデータをもとに赤字路線であることが 「明らか」 となったのだろうか？

まあ、 こんなめちゃくちゃな方針でも、 従来の仕組みを変更しないよりはましなのかもしれない。 となれば、 あとは英国の鉄道民営化にからむ法律 (Railway Act 1993) がきちんと Railway Administration の規定を準備していたように、 破綻処理条項をきちんと盛り込んでおいてほしいと思うのみだ。 そうして、 無能力な政権を作ったことをうらみつつ、 まともな仕組み作りは次の政権交代まで待つ、 という考え方をしなければいけない時代なのだろう。