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BBC 28/1/03, Tube 脱線
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ページ執筆 2003. 1. 31
最終更新 2003. 1. 31

ロンドン地下鉄で脱線事故


土曜日(1月25日)午後2時前に、 ロンドン地下鉄 Central Line の Chancery Lane 駅で、 西行電車が脱線しトンネル壁やホームに衝突、 車体が小破する事故があった。 死者はなかったものの32人が負傷した。 ロンドン地下鉄では1987年の Kings Cross 駅火災事故以来の事故とのことで、 特に PPP による部分民営化を目前に控えた時期だけに注目を集めている。

事故から数時間たって、 労組 RMT から 「主電動機を落としたのが脱線の原因。 数駅前で運転士は問題を報告したが、 指令所からは列車をそのまま走らせ続けるよう指示された」 「これは以前からあった問題で、 基本的に設計不良と考えられる」 という指摘がなされた。 その後、 日曜日になってそれをほぼ裏付ける発言がロンドン地下鉄側からもなされている。 それによれば 「その問題を解決するため、全車改造が行われたうえ、 5日にいちどチェックをすることになっていた」 「当該編成は2日前にチェックして問題はみつからなかった」 「Holborn 駅までで運転をうち切り、 そこにある側線に入れて詳細な検査を行う予定だった」 (Holborn は Chancery Lane 駅の次の駅)という。 事故原因の調査もこの電動機がらみを中心に行われており、 同線は運休状態が続いている。

Central Line の電車は10年ほど前に導入されたチョッパ制御電車であるが、 電動機を容易に走行中に落とすなどという問題が現実に生じることも信じがたいし、 それが発見された後もじゅうぶんな解決がなされぬまま車両が使われつづける、 というのもふつうの感覚ではとても考えられない事態である。 日本からのエンジニアとしてはある意味ではほんとうに勉強になるものの、 日本で研究していた先端的アイディアの数々を思い出すとなんだか情けなくなる。


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高木 亮 webmaster@takagi-ryo.ac
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