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東武5000系メモ >> 東武5000: 63系割り当て
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ページ執筆 2003. 6. 27
最終更新 2003. 6. 27

63系国鉄電車の民鉄への割り当て

東武5000系メモ

さて、 ここから本題の東武5000系の記述にはいるわけだが、 その前に第2次世界大戦後の1946年ころに東武鉄道に 「割り当て」られた、 国鉄63系電車のことに触れないわけにはいかない。 技術的には、 東武78系(5000系の前身)はこの63系の小改良版とみることができるからだ。

この「割り当て」は、 戦後の混乱期に輸送の安定を少しでも確保するため、 簡素で製造しやすい 「戦時設計」の国鉄(省線?)電車を当時の運輸省が民鉄に割り当て、 輸送力を確保する目的で行われた。 割り当てを受けた民鉄は、 その見返りに自社の小形車両を地方の民鉄に譲渡することになった。 東武鉄道は、 このとき40両の割り当てを受けている。 ほかに、小田急(当時は東急)・名鉄・近鉄・南海の各社に譲渡されたようである。

63系は車体長20mと大柄で、 小型車の多い民鉄では使いにくいところも多かったようである。 もともと国鉄との車両のやりとりが多かったらしい小田急は、 入線にさいしても問題が少なかったが、 東武では浅草駅へは改修工事がすむまで入線できないなど問題があった。 しかし、 こうした問題が解消されるにつれ収容力の大きさから便利に使われだしたようである。 一方、 名鉄は割り当てを受けたものの結局使いこなせず、 1948年には小田急に6両を売却、 1949年には残る14両を東武に売却してしまった。

一方の東武鉄道は、 割り当てられた40両に名鉄からの14両、 さらには別に払い下げを受けた「戦災国電」のうち車体長が20mの360形4両を加え、 58両もの「63系」 (のち桜木町事故対策で改造し、73系) を保有し、 通勤輸送の主力車両として便利に使っていた。


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高木 亮 webmaster@takagi-ryo.ac
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