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最終更新 2005. 01. 02. Last updated: 02 January 2005
2001. 1. 6. / January 6, 2001
鈴木光司の小説群
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The four novels by the novelist Suzuki Koji. Strongly recommended are "Ring" and "Spiral". "Ring" is simply horrifying. "Spiral", the sequel to "Ring", is also an excellent novel, effectively utilizing plots of "Ring" and unfolding an even more exciting story, although not so horrifying. On the last of the three sequential novels, "Loop", the novelist seems to have come full circle; from my opinion there are many similarities between "Loop" and "Paradise", his first novel. I prefer "Paradise" to "Loop". |
「ループ」 は三部作完結編ということだが、 前2作と比べると少し内容的に 「落ちる」 感じがする。 中身的にいろいろなことに安易な決着をつけすぎたからではないだろうか。 また、 規模壮大なコンピュータの内部でシミュレーションされる 「人工生命」 なるものが登場し、 その人工生命たちにとってシミュレーションの実行者は 「神」 であるかのように見える、 というくだりがあるが、 似たようなことがらをストーリーに織り込んだ作品はいくつもありそうである (例:筒井康隆の「エディプスの恋人」)。 それと、 作者自身の作品、 「楽園」 との類似性も気になるところだ。
「楽園」 は、 この作者の処女作ということになっている (なっている、 というのは 「リング」 のほうが先に執筆されたという説があるため。 出版されたのは「楽園」が先)。 第二回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。 太古のモンゴルから18世紀の南太平洋、 そして現代アリゾナの地底湖へと一万年の時と空間を超えて愛を結ぶ、 という壮大なストーリーである。 「楽園」 が地底湖にたどり着いたのと同様、 「ループ」 で主人公が最後にたどり着くのはアメリカの砂漠の地下空間である。 処女作から十年を経て、 作者自身が描いたループということかも知れない。 けれど、 高木としては直球勝負の愛を語る「楽園」に一票を投じたいところだ。
それにしても、
「ループ」
の文庫版についている解説、
あれ何とかならないだろうか…