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最終更新 2005. 01. 02.
Last updated: 02 January 2005
2001. 4. 17. / 17 April 2001

「アニメーション制作進行くろみちゃん」
"Animation Production Manager Kuromi-Chan"

参考文献等リスト(お勧め度は★の数3個が満点)
Reference List
  1. DVD「アニメーション制作進行くろみちゃん」, (有)ゆめ太カンパニー, YMTB-1101 (2001) (★★)
  2. 「月刊くろみ第2号」, 「アニメージュ」, 23, 11 (2000)

On the DVD package are the big characters "The first animation on animators' world". The production company intended not only to create the story but to create a move towards resolution of copyright problems. Currently there are many animation videograms that have originals published as cartoons (manga). However, no copyrights are granted for people who are involved in making that videogram. Even the "character designers", doing many creative works, can receive nothing for future reproductions. They wanted to create an anime themselves, get the (c) for it, and try changing the situation. I do say this idea have caught my spirit. The quality of the work seemed to me satisfactory too --- although not very excellent.
お茶の水駅のわりとそばに 「東映アニメーション研究所」 というのがある。 きょうたまたまそこのそばを通りかかった。 入口付近には 「ワンピース」 やら 「おジャ魔女どれみ」 やらの広告ポスターがべたべた。 ガラスの中には若いアニメーターさんが何やらたくさん集まっている。 そばの神社の階段の脇には、 アニメーションの現場で使うらしい、 特殊な固定用の穴 (「パラパラまんが」 をするとき、 ずれないようにするのだと思う) のついた紙が一枚落ちていた。 下絵みたいなのが鉛筆で描かれてある。

ちょうどこの "OVA" (注: オリジナル・ビデオ・アニメーションの略だそうだ) の DVD を購入した直後だったので、 おおこれこれ、 と思ってしまった。

そばの通りに、 やはり同研究所の関係者とおぼしい若い人々が何人かまとまって立っていた。 いろいろご苦労が多そうなお仕事だと思うが、 若い人たちには是非がんばってほしい。

件のDVDは 「業界初の業界アニメ」 なのだそうだ。 クレジットを見ると、 「おじゃる丸」 の監督の大地丙太郎 (だいち・あきたろう) 氏、 同じくキャラクターデザインの渡辺はじめ氏、 およびこの作品 「くろみちゃん」 の制作会社である 「ゆめ太カンパニー」 の 「マルシー」 (Copyright のマーク) がついている。

この 「マルシー」 が重要であるらしい。 「アニメージュ」 の過去号にこのOVAを紹介した記事があったが、 それによると制作会社社長氏は大地監督が別な作品 「十兵衛ちゃん」 で 「マルシー」 を取得した (監督がとるのは珍しいことだそうだ) のをみて、 大地監督に頼むことにした、 という。 たとえば、 マンガ原作のある作品をアニメ化する際、 制作現場にキャラクターデザインの人が別にいても、 「そこには2次使用料が行かない。 それはおかしいんじゃないか」 という問題意識がある。 そこで、 制作会社の独自企画で、 「内容的にも良い作品でそういうシステムを作ってしまえば、 追随してくれる会社も出てきて、 業界全体の活性化につながるんじゃないか。 『くろみちゃん』は、 たまたま "業界もの" だし、 この作品を通じて2次使用の問題を良い方向へ発展させていけたらいいな」 とのこと。 販売ルートも多様化したいということで、 コンビニ (ローソン) での販売も行われている。

その内容的な部分も、 非常に推薦できる、 とまではいえなさそうだけれど、 お値段分は満足できるかな、 という仕上がりと感じた。

こうした現場の問題にも取り組んだ作品ということで、 その意気に感じて1票。


高木 亮 / TAKAGI, Ryo webmaster@takagi-ryo.ac
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