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2000. 1. 23. / January 23, 2000

コンピュータのリサイクル
Recycling of Computers

故障続き

Trouble after trouble...

As stated in "This issue's photo", I had to replace the power supply unit of my old PC, bought in 1997. According to an article on "Nikkei Byte" magazine, the life of a PC seems to be designed for around 5 years. Therefore it is natural for me to encounter troubles of the parts of my PC three years after the purchase. Nonetheless, I was surprised when I saw the plugs were burnt black, the cause for which still uncertain.

Recently I frequently encounter troubles. This weekend I had to repair my Nissan car because its muffler was broken. Another thing was my Braun's shaver which was successfully returned from repair work, which cost me JPY 5,000.

高木が自宅でメインに使用しているPCは、 1997年に大枚はたいて購入した高価な品物である。 何しろ Pentium Pro プロセッサ (当時1枚7万円くらいした) を2枚もおごってあるのだ。 ディスク関係は当然SCSI。 メモリだって当時としては多めの128MBを積んである。 結果、 ディスプレイを除いた価格で確か50万円を越えていたと思う。 ところが、 ここに来てそのPCの部品がいろいろ壊れはじめるようになった。 症状は電源ユニットやCD-ROMから異音がするとかいうことで、 やはり機械ものの故障が多いようである。 「日経バイト」 の記事によれば、 PCの寿命というのはだいたい5年程度であるらしい。 この高価なPCは購入してからまだ3年であるが、 そうだとすれば故障が増え出してもまあやむをえないころかも知れない。 だが、 PC電源を入れ替えたら古いユニットのプラグが焦げているのにはびっくりした (参照: 今号のお写真)。

マザーボードの設計が悪く、 Baby AT プラグの許容値を越えた負荷電流が流れているのかも知れない。 しかし、 写真をよく見ると +5V の線の部分だけが焦げており他は何ともない。 電流過多が原因なら+5Vの電流が戻るGNDの線も焦げてしかるべきだと思うので、 漏電か何かそのような問題が起きていた可能性があると思っている。 本当のことは正直なところまったくわからないので詳しい方のアドバイスを頂きたいが、 いずれにせよマザーボードのような繊細なはずの電子部品がよく壊れなかったものだと思う。

ともかく、 このPCの修理で休日を何日間か棒に振ってしまった。 ほんとうは、 「RTざんまい」 サイト内の他のページの更新をしたかったのだが。

最近高木の持ち物はどうもトラブル続きである。 1992年から乗り続けている日産の車(1989年式)も、 お付き合いしているディーラーさんから試乗のお誘いがあったので出かけた帰り、 走行中に後部から異音が…。 ディーラーさんのところに舞い戻り、 見積もりのためにジャッキアップして見せてもらったところ、 マフラーが見事に錆びて折れてしまっている。 新車を見に行くようなことをしたのでクルマがすねたのかも知れないが、 ともかくしっかり3万円程度の修理費がかかった。 もうひとつはブラウンのシェーバー。 こちらはトラブルというのと少し違うが、 電池交換でやはり5000円程度かかった。 これでは新しいのを買った方が安いくらいだ。

古いものは金食い虫

Old things are money-eaters

I have recently bought a PC which previously belonged to one of my friends. I needed it as a tool to work with my new digital camera, and it can still work well. However, I had to spend some amount of money, which was not a good deal in terms of cost-performance ratio comparison. In addition, I tried to connect a fixed scan display which came with old Sun workstation, which needed a special kind of graphics card. The Sun's display seems to be a high-quality one, and in this case it seems to me worth paying for the card. However, generally, using the old things (especially in the computer world) is sometimes very costly.
1997年に購入したそのPCは今でも普段使うぶんには十分な性能を持っていて、 特に買い換えたいとか感じたことは今のところない。 敢えていうと最近メモリをもう少し増設したくなりつつあるが、 まあその程度のことである。 ところが、 前回巻頭言にも書いた通りディジタルカメラ用の 「スマートメディア」 (ディジタルカメラで撮影した映像を記録するためのもの。 要するにふつうのカメラで言うフィルムに相当する) をコンピュータで読み書きするため、 Windows 95が動くPCが必要となり、 友人T氏から中古のを1台譲り受けた。

彼のPCはPentium 166MHz のシングルプロセッサマシン。 32MBメモリと1.7GB IDEハードディスクがついている。 高木は秋葉原で中古のメモリを64MBほど追加購入し合計96MBとした。 この他、 ビデオカードの追加等が必要だった。 最近非常に安い価格のPCが出現しているが、 今回投入したお金とそういうのを比べると何となく新しく買った方がいい気になる()。 少なくとも、 CPUの性能対価格比では絶対損であると思われる。 ただ、 僕が友人に払ったお金はソフマップ等の中古買い取り価格を参考に決めたものである。 中古品にもそれだけ高い価格がついているということになる。 実際、 中古品を使ってみてもそう不自由することはない。 確かに何か難しい処理をやらせるとゆっくりだが、 メモリを積み増したこともあり何かしていて特に不愉快ということもない。 従来機では Windows NT か Solaris 2.6 が走っているが、 こちらは Windows 9x なのでそれらより立ち上がりが速い。

(注)…… 念のためいうなら、 新しいのを買うより今回の中古品の方が総投資額では安かった、 と高木は信じている。 決してT氏が 「前世代のPCを高値で売りつける悪徳商人」(ご本人談) だったわけではない。(Tくんごめんなさい) ただ、 もう少しお金を出せば新品が買えたかも知れない、 という話なのだが。(2000. 2. 2. 追加)
ところが、 それを見た両親(のうち1名)から 「我々にも1台ほしい」 というような要望が出てきた。

ちょうど同時期に、 自分で買ったものの大学に置いて使ってきたワークステーションを、 自宅に持ち帰ったのだ。 機種は Sun の SPARC Station 5 model 85 である。 立派なディスプレイがあって、 少なくとも見た目は未だに神々しいが、 性能的には友人から譲り受けた中古PCにも劣る。 メモリだって64MBしかない。 まあこれを何とか生かして、 譲受したPCは両親にあげましょう、 ということなのだが…

ディスプレイを部屋に2台置くとものすごく場所を食うので、 その古いマシンを生かそうとなるとせめてディスプレイは共用したくなる。 ところが、 その Sun のマシンについているディスプレイはいわゆる Fixed Frequency Display で、 ディスプレイカードを特殊なものに交換しなければならないのだ。 アメリカの Mirage というところがそういうディスプレイ用のグラフィックスカードを販売しているので、 そこから個人輸入することにしたが、 お値段も 300ドル程度する。

古いものを使えば環境にはやさしいのかも知れないが、 どうも非常な金食い虫である。 特にコンピュータ関連、 とりわけ今回の Sun の Fixed Frequency Display のようなレアものほどその傾向が強い。 まあ、 このディスプレイは非常に高級な品物と見られるので、 ディスプレイカードに300ドルかけても価値はありそうなのでまだよいが…。

コンピュータを長く使う

Using computer longer

The association of Japanese electronics manufacturers recently announced that they try to construct a recycling system for home-use PC's. There is now a severe shortage of final waste disposal sites in Japan, and it is a good chance for Japan to build up a leading-edge "zero-emission" community.

Here, there seems to be a wide misconception; recycling is a "final" thing in the zero-emission society. It is more important to use PC's "as long as possible" before considering its replacement. However, it is not easy to do so because Microsoft and other software suppliers are keen in "enlarging" their products, making them suitable for PC's with higher specifications, which effectively discourages people from using older ones.

I believe I use one PC for a relatively long period of time. I have kept the first PC I bought until recently. However, after finding the burnt plugs, I started thinking of when I should dispose of this old one. Is it when I can not stand the inferior performance of it, or when the system won't boot up anymore? If latter, I can happily replace and dispose of it, but if not...

最近、 日本電子工業振興協会 (電子協) が家庭から出る 「廃パソコン」 を回収するシステムをまとめる、 というようなことを発表した。

日本では、 何しろ廃棄物の最終処分地がいよいよ枯渇の危機に瀕するようになった。 これは大問題であるが、 地域住民がそのようなものをそばに作ってくれるなという気持ちもわかる。 この際いっきにゼロ・エミッションを実現してしまおう、 ということであれば、 国家戦略としてもその方が正しいのではないかと思う。

ただ、 よく誤解されていることだが、 リサイクルというのは循環型社会では最後に来るべき事項である。 ゴミ減量という立場からは、 「使えるだけ使う」 ということがその前に来ていなければならない。

今回友人から譲り受けたPCだって、 確かに使えはするが非常にのろい。 ゴミになってもおかしくないところだ。 何しろマイクロソフトはじめソフトウェアハウス各社が OSやらアプリケーションソフトやらを頻繁にアップグレードしてくれるのはいいが、 そのたびに要求されるシステムの仕様が高度化し、 古い機械を捨てざるをえなくなる。

Y2K問題で企業が多額の投資をさせられたことを問題視する論調が出始め、 さっそく週刊文春が朝日新聞たたきの材料にしている (参考文献参照)。 その一方で企業は結果的に情報システムを更新したので、 IT関連の投資とみれば何年間かで回収できるのではないか、 とする意見もある。 だが、 その影ではたくさんの廃パソコン等が発生しているに違いないのだ。 その数も今後うなぎ登りに増えて行くに違いない。

以前、 NECのPC-9801系パソコンが日本で支配的だった頃、 NECはメモリ等の機器の規格を年中変更して顰蹙を買っていた。 その方が彼らとしてはもうかるからそうしていたのだろうが、 このようなことをされれば捨てなければならないパソコンを増やすだけである。 今回、 中古PCのメモリを簡単に秋葉原で手に入れられたのは、 PCの規格が何年間もあまり変更がないことによるのだろう。 そういう点では以前よりよくなったのではあるが、 機械の性能向上のスピードがあまりに速いため、 その程度のことでは廃棄量を減らせそうにない。

ものすごい勢いで性能向上を続ける計算機、 それに合わせて肥大化するソフトウェア。 どうみてもユーザはそれについていっているようにみえないのだが、 やっぱり性能のいい機械の方が売れるわけである。 今回のように古い機械を使おうとするとかえってコスト高になるのも痛いところだ。

リサイクルをしようとなれば、 回収費用を消費者が負担するのも痛いことになるだろう。 高木の自宅では冷蔵庫の買い換えの動きもあるが、 冷蔵庫の回収費用というのが4000円くらいしてけっこうバカにならない。 いきなり不法投棄はないにしても、 高木の住む地区では粗大ゴミの回収は (連絡は必要であるものの) 無料なので、 お店にお金を払って回収してもらうよりゴミに出す、 などと考える人も多かろう。 パソコンも同じようなことにならなければよいがと思う。

高木は多分わりと同じ計算機を長く使う方だと思う。 1986年にはじめて購入した NEC PC-9801VM2 も、 ごく最近まで捨ててなかった。 しかし、 現在のPCに関しては、 今回の故障の件で何となく疑問が沸いてきた。 あとこいつとどのくらい長くお付き合いできるだろうか。 高木が性能に我慢できなくなるときか、 それともどこかがハード的にイカレて使えなくなったときか。 後者なら諦めてさっくりと捨てることもできるのだが…


参考文献

  • 「Y2K『大惨事なし』でも扇動者たちは『反省なし』」, 週刊文春, 2000年1月20日号, 42, 2 (2000)

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